離婚することになった場合、相手方に離婚の原因があるケースでは慰謝料の請求が可能です。どんな理由であれお金を受け取る場合に気になるのが税金ですよね。離婚の相手から慰謝料や養育費を受け取る場合でも確定申告の必要はあるのでしょうか？今回は、慰謝料や養育費について、確定申告が必要かどうかを解説します。
離婚の慰謝料に確定申告は必要？税金はかかる？
離婚の慰謝料は、相手の浮気やDVなどによる精神的苦痛への賠償金として支払われるため、原則として、税金はかかりません。税金がかからないということは、税金の支払い義務がないので、確定申告をする必要もありません。
支払う側は確定申告すると所得控除できるのか
離婚の慰謝料について、慰謝料を受け取る側が確定申告の手続きを行う必要はありませんが、支払う側はどうでしょうか？
離婚の慰謝料は、所得控除の対象にはならないとされています。そのため、支払う側についても、確定申告をしたからといって慰謝料の額が所得控除の対象となるわけではないので、原則、確定申告の必要はありません。
養育費を受け取る場合も確定申告の必要はない
離婚の際の慰謝料だけでなく、養育費についても、税金は基本的にかかりません。養育費は子供を育てていくために必要な資金なので、法律で保護されているのです。
養育費についても税金の支払い義務がないことから、慰謝料と同様に確定申告の必要はありません。
慰謝料や養育費で確定申告が必要なケース
離婚の際の慰謝料や養育費については、基本的に確定申告の手続きは不要です。ただし、ケースによっては税金の支払い義務が生じ、確定申告が必要となる場合があります。
例えば、受け取った慰謝料や養育費の金額が相場よりも高額な場合には、贈与税の課税対象となる場合があります。税金の支払い義務が生じる場合には、確定申告も必要となります。
また、慰謝料を現金ではなく家などの不動産で受け取る場合にも贈与税や不動産取得税の課税対象となる場合があります。税金の支払い義務が生じる場合には、確定申告が必要になります。
慰謝料の金額は書面に残しておくと安心
慰謝料や養育費については原則として確定申告の必要はありませんが、後日税務署から調査された場合などに脱税を指摘される可能性が全くないとは言い切れません。
実際に、高額な慰謝料を受け取って税金を支払っていない場合には、所得隠しや脱税目当ての離婚ではないかと疑われてしまいます。
もし調査が入っても大丈夫なように、あらかじめ慰謝料の金額などの詳細は書面に残しておくと安心です。書面に残す場合には、離婚協議書を公正証書として作成しておくと良いでしょう。
離婚協議書を公正証書にする方法は？
離婚の際に慰謝料や養育費の金額を取り決めたら、離婚協議書を作成しておきましょう。公正証書は作成料もかかりますが、証拠力が高いため、トラブルが起きた際に頼りになります。
公正証書を作成するには、公正役場での手続きが必要です。離婚届を提出する前に、2人で公正役場に行き、離婚協議書を作成しておきましょう。
番外編：交通事故の慰謝料や保険金は確定申告が必要？
離婚の際の慰謝料は確定申告の必要はないということをご説明してきましたが、交通事故で相手方から慰謝料を受け取った場合には、確定申告の必要があるのでしょうか？番外編としてご説明しておきます。
交通事故の慰謝料も確定申告不要
交通事故の際、相手側から慰謝料を受け取る場合にも原則として税金はかかりません。つまり、交通事故の慰謝料についても確定申告は不要です。
ただし、交通死亡事故の慰謝料を遺族が受け取る場合には、税金がかかり、確定申告が必要なケースもあります。
交通事故の保険金は確定申告が必要なケースも
相手側の保険会社から賠償金として支払われる保険金についても、原則として非課税なので、確定申告の必要はありません。また、加入している自動車保険から車両保険金を受け取って自動車を修理しても、税金はかかりません。
ただし、交通死亡事故において相手側の保険会社から賠償金を受け取るケースや、本人が加入していた保険会社から遺族が死亡保険金を受け取る場合には、税金がかかってきます。その場合は確定申告が必要となるので、注意しましょう。
最後に
慰謝料は養育費については、原則として確定申告の必要はありません。ただし、ケースによっては税金の支払い義務が生じ、確定申告が必要となる場合もあります。確定申告が必要ないと思っていても、後日税務署から調査が入る可能性もあるため、離婚の際に受け取った慰謝料の金額や養育費の受け取り金額・期間は、書面に残して置く必要があります。効力の高い公正証書として、離婚協議書を作成しておきましょう。
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