「別居婚」という結婚のかたちがあります。入籍と同時に同居を始めるのが一般的ですが、なかには別居婚という形を取る夫婦もいます。今回は、別居婚を検討中の方に向けて、別居婚の手続き方法やメリット・デメリット、別居婚にまつわる様々な疑問について解説していきます。
別居婚とは
別居婚とは、様々な事情で別居状態のまま入籍し、結婚後もそのまま別居状態を続ける夫婦のことをいいます。例えば、仕事の都合でどうしても同居ができない夫婦や、入籍後も結婚式が終わるまでは別居を続けたいという夫婦など、別居婚を選ぶケースは増えてきています。
ちなみに、結婚後しばらく同居をしていたのに、夫婦仲の悪化などが理由で別居を始める場合には、別居婚とは言いません。
別居婚の手続き方法とは?住民票はどうなる?
別居婚の場合も、特別な手続きは必要ありません。
婚姻届の住所欄は夫と妻でそれぞれ異なる住所を記載すればよいのです。世帯主名も、夫婦別々で問題はありません。ただし、本籍地については夫婦で合わせる必要があります。
別居婚での妊娠は難しい?
別居婚であっても「すぐに赤ちゃんが欲しい」という場合には、排卵日に合わせて相手の家に通うなどの行動が必要になるでしょう。もちろん、無理に排卵日に合わせていなくても、夫婦生活を続けていれば自然と妊娠することはあります。
同居婚の方が妊娠しやすいということは確かにあるかもしれませんが、別居婚だからといって妊娠できないというわけではありません。
別居婚での子育ては大変?
別居婚中に妊娠して出産後も別居を続ける場合には、子育てについても考えなければなりません。実家暮らしの場合には両親のサポートを受けることができるでしょうが、お互い一人暮らしの場合はどちらかがメインで子育てをする必要があります。
子育てについて不安があるという方や、夫婦一緒に子供を育てたいという場合には、同居のスタート時期を早めることも検討しましょう。
別居婚の子供へ影響は?
夫婦仲が良好であっても、別居婚を選ぶことで子供に悪影響を及ぼすのでないかと不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
幼稚園や小学校に上がると、友人宅に遊びに行くことも増え、「どうしてママとパパは一緒に暮らしていないのか」という疑問を抱く子供も多いはずです。その時に、しっかりとした理由を説明し、納得してもらうことができれば、悪い影響を及ぼすことはないでしょう。
とはいえ、別居婚では、どうしても同居していない方の親に会う機会が少なくなってしまい、通常通りの親子関係を築けないケースもあります。
子供が大きくなってから後悔するのでは遅いので、子育ての際の子供との関わり方については、配偶者と予め相談して決めておきましょう。
別居婚は離婚率が高い?浮気の心配は?
別居婚は、同居する場合と比較すると離婚率が高いと言われています。別居婚の離婚率が高くなるのは、別居が長く続くことによって結婚している意味を感じられなくなる、浮気や不倫に気が付きにくいという点が主な理由でしょう。
別居婚であっても入籍している以上、夫婦にはそれぞれ貞操義務が生じます。配偶者に浮気や不倫をされた場合には、もちろん慰謝料請求が可能です。配偶者の浮気や不倫による慰謝料は、離婚する場合もしない場合も請求ができますので、まずは弁護士などの専門家に相談してみましょう。
別居婚の生活費は誰が負担する?
別居婚の場合、生活費は夫婦それぞれが負担することが一般的です。同居する場合と比較すると、自分が負担する生活費は多くなるでしょう。
もちろん、子供にかかる費用などは配偶者にも負担してもらうことができます。別居期間中の生活費については、別居婚をスタートする前に2人で話し合って決めておくとよいでしょう。
別居婚のメリット・デメリットまとめ
様々な事情によりやむを得ず別居婚を選ぶ夫婦もいれば、なかには積極的に別居婚を選ぶ夫婦もあり、別居婚を選択する理由は夫婦によってそれぞれです。
どのような理由であれ、別居婚を検討する場合、まずそのデメリットをしっかりと把握しておくことが大切です。ここまで紹介してきただけでも、別居婚には次のようなデメリットが考えられます。
別居婚のデメリット
- ✓ 妊活が大変
- ✓ 子育てが大変
- ✓ 子供に影響を及ぼす場合もある
- ✓ 浮気に気が付きにくい
- ✓ 結婚している意味がわからなくなる
- ✓ 生活費が余計にかかる
しかし一方で、別居婚にはメリットも存在します。
別居婚のメリット
- ✓ 自分の時間を作れる
- ✓ 家事の負担が半分
- ✓ ストレスが減る
自分一人の時間を大切にしたい人は、配偶者と四六時中一緒にいるだけでもストレスに感じてしまうのではないでしょうか。別居婚ならそのようなストレスが減り、家事の負担も半分になります。
最後に
今回は、別居婚の手続き方法や、メリット・デメリット、別居婚にまつわる様々な疑問について解説してきました。結婚するからといって、必ずしも入籍と同時に同居しなければならないわけではありません。それぞれの事情に合わせて、別居婚という選択肢も考えられます。
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