偽装離婚とは?バレたら逮捕される?メリット・デメリットまとめ

偽装離婚とは?バレたら逮捕される?メリット・デメリットまとめ

偽装離婚とは何か、ご存知でしょうか?今回は、偽装離婚の意味や、メリット・デメリットについて、また偽装離婚は犯罪なのかをまとめて紹介します。偽装離婚がバレたら逮捕されてしまうのでしょうか?

偽装離婚とは

偽装離婚とは、実際には夫婦関係が破綻していないにも関わらず、離婚届を提出して法律上は夫婦ではなくなることを意味します。法律上は赤の他人となるわけですが、偽装離婚をした夫婦はそのまま共同生活を続けるケースが多いです。

偽装離婚は生活保護の対象になる?

夫婦が偽装離婚をする目的の1つとして、生活保護の受給があげられます。健康で文化的な最低限度の生活を保障するために受給される生活保護は、世帯の月収によって審査されます。偽装離婚の末、配偶者の収入のみで生活をすれば、世帯収入がないように偽ることが可能なのです。

偽装離婚でも母子家庭として手当がもらえる?

生活保護だけでなく、母子家庭向けの諸手当を目当てに偽装離婚をする夫婦もいます。
母子家庭は、児童手当とは別に、子供一人あたり最大月額42,370円の児童扶養手当を受給することができます。年間でみると50万円を超える受給額です。
また、自治体によっては母子家庭向けの手当がさらに充実していたり、家賃補助が受けられたりすることもあります。

偽装離婚で保育園の優先順位が上がる?

都市部では、なかなか保育園に入ることができずに、待機児童となっている子供たちが多く存在します。母子家庭は、保育園入園の優先順位が上がるため、保育園に入ることを目的に偽装離婚をする夫婦もいるようです。

借金の末に偽装離婚するパターンとは?

多額の借金があり、その返済を免れるために自己破産を検討している場合、偽装離婚による財産分与で土地や家屋を配偶者に渡し、預貯金を慰謝料として支払っておくことで、自分の財産を隠すことができます。自己破産をすると、財産は差し押さえになるため、夫婦の共有の財産が差し押さえられてしまうことを避けるために、2人で共謀して偽装離婚し、「財産隠し」を行う夫婦が実際に存在します。

偽装離婚で通報されたら逮捕されるの?

ここまでご紹介してきた内容で、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、偽装離婚は立派な犯罪です。
例えば、生活保護の不正受給を目的として偽装離婚をしていた場合には、「公正証書原本不実記載等罪」に問われます。聞きなれない罪名ですが、5年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる犯罪です。
また、借金逃れのための財産隠しは破産法上の「財産の隠匿行為」に当たり、特に悪質な事例については「詐欺破産罪」に問われます。詐欺破産罪には、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金という極めて重い刑罰が科されます。

偽装離婚はバレないの?

「偽装離婚をしてもバレなければいいのではないか」と考えている方もいるでしょう。
しかし、生活保護の不正受給や母子家庭の手当を目的として偽装離婚をする場合、ほとんどのケースにおいて、バレるでしょう。
生活保護や、母子家庭向けの手当については、不正受給を取り締まる部署が存在します。生活保護者のサポートのために自宅訪問をするケースワーカーは、不正受給者を発見する役割も担っているのです。
また、近所の人から市役所などに通報されれば、一発でアウトですね。バレてしまえば、不正受給してきた生活保護や手当の返還を求められ、罪にも問われることとなります。

偽装離婚のメリット・デメリットまとめ

偽装離婚のメリット・デメリットまとめ

ここまでにご紹介してきた偽装離婚のメリットは、次の3つです。

  • ✓ 生活保護、児童扶養手当の受給対象となれる
  • ✓ 保育園の入園がしやすい
  • ✓ 財産を隠せる

そして、偽装離婚のデメリットは次の2つです。

  • ✓ バレたら犯罪に問われ、刑罰が科せられる
  • ✓ バレたら社会的信用を失う

数だけで見てみればメリットの方が多いようにも感じますが、圧倒的にデメリットが大きいですよ。偽装離婚は立派な犯罪です。刑罰が科せられれば、時間とお金を失うだけでなく、社会的信用もなくなります。自分と家族の将来のためにも、偽装離婚はやめましょう。

偽装離婚とペーパー離婚の違いとは

偽装離婚は犯罪なのですが、離婚届を受理してからも夫婦生活を続けることは犯罪ではありません。例えば、「やっぱり旧姓で仕事がしたい」「自由になりたい」という理由から、離婚して事実婚状態になることは決して悪いことではありません。
その場合には、偽装離婚と区別するために「ペーパー離婚」という言葉が使用されます。
離婚をしてからも一緒に暮らしている夫婦は存在します。一緒に暮らしているからといって、必ずしも「生活保護などの不正受給を目的とした偽装離婚」というわけではないのです。

最後に

今回は、偽装離婚について紹介しました。生活保護や母子家庭の手当を受給、財産隠しを目的とした偽装離婚は、れっきとした犯罪です。もしも今、偽装離婚をすべきか迷っているのであれば、絶対にやめてください。
一般社団法人あゆむでは、専門カウンセラーが離婚や夫婦関係に関する電話相談を年中無休で受け付けております。偽装離婚を持ちかけられてどうすれば良いか分からない方、夫婦での生活にお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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