離婚に関する手続きや法律的な離婚相談は、市役所でも対応してくれます。弁護士事務所で相談に乗ってもらうと時間あたりの相談料が必要ですが、市役所の離婚相談は行政サービスの一部として無料で活用することができます。今回は、市役所の離婚相談について、上手に活用するためのポイントをご紹介します。
市役所の離婚相談は何課が担当?
市役所などで離婚相談を担当している課の名称は、市町村によって異なりますが、「市民相談課」や「市民相談室」といった部署で受付をしている場合が多いです。お住まいの市町村の公式ホームページなどで、離婚相談担当課を確認することができます。離婚相談の内容によっては事前に相談予約が必要なこともあるため、詳しくは担当者に確認してみてください。
市役所の離婚相談は時間・回数の制限がある
市役所の「市民相談課」などで受付けてもらえる離婚相談は、弁護士など法律の専門家が法律的な面から離婚相談に乗ってくれるというものです。ただし、対応する弁護士が必ずしも離婚分野に精通しているとは限りません。また、行政サービスとして無料で離婚相談に乗ってもらう場合、回数や時間制限があるケースがほとんどです。例えば、横浜市の場合は次のように制限されています。
- 弁護士による法律相談:1回あたり25分以内・同一案件一回限り
つまり、横浜市の場合には一度しかチャンスがありませんので、弁護士に相談する内容はあらかじめ精査しておく必要があります。
離婚手続きの相談なら市役所の各窓口で
市役所の無料で受けられる離婚相談には、時間制限や回数制限があります。ですが、離婚手続きに関する質問であれば、市役所の各窓口で対応してもらうことができます。例えば、年金分割に関する相談は市役所の国民年金課や年金事務所、自分や子供の戸籍に関する手続きは市役所の市民課(戸籍係)など、それぞれの担当窓口で相談しましょう。また、調停や裁判の資料作成についての疑問点は、家庭裁判所の窓口で確認することができます。
市役所の無料相談を使って弁護士に相談する場合は、離婚相談の内容を、あくまで「離婚できるかどうか」「慰謝料の請求はできるかどうか」といった法律に関する相談のみにとどめると、時間の無駄を省くことができるでしょう。
離婚相談が無料でできるのは市役所だけじゃない
離婚相談ができる公的機関は市役所だけではありません。回数制限や時間制限がある市役所での弁護士相談以外の相談窓口も、上手に活用することをおすすめします。
離婚相談ができる公的機関①女性センター
各都道府県に設置されている女性センターでも、離婚に関する相談に対応してもらえます。(男女共同参画センターという名称の場合もあります)
相談に対応するのは、有資格者ではない相談員となる場合がほとんどですが、必要に応じて弁護士や臨床心理士といった専門家のサポートを受けることもできます。相談料は無料で、電話での相談窓口も設けられています。配偶者からの暴力(DV)にお悩みの方に対応する専門窓口も設けられていることが多いので、DVを原因として離婚を考えている方は、市役所よりも先に女性センターに相談してみてもよいでしょう。
離婚相談ができる公的機関②日本司法支援センター(法テラス)
法務省が管轄する機関で、法的トラブルの解決を目的として設置されています。
離婚に関する法律情報や、制度を案内してくれるサポートダイヤルは、利用料無料(※通話料は必要)です。また、収入が一定金額以下の方であれば、弁護士による法律相談を無料で受けられるサービスもあります。
市役所では離婚後の生活に関わる相談もできる?
市役所での法律相談は、離婚時だけでなく離婚後の生活に関わる相談にも対応しています。例えば、養育費の不払いなどのトラブルが起きた場合には、弁護士に相談することで解決の糸口がつかめるかもしれません。
また、各市町村の子育て支援課では、ひとり親家庭の支援に関する相談にも対応しています。子供を育てていくにあたって再就職が必要な場合には、自立支援給付金の受給が受けられます。市町村によっては、公共交通機関の利用料や水道料金の減免といったサポートが受けられる場合もあるので、離婚後の生活に不安がある方は、事前に制度を確認しておくとよいでしょう。
最後に
市役所などで行っている無料の離婚相談についてご紹介しました。離婚すべきか迷っている方は、誰かに相談することも大切です。離婚に関する法律相談は、市役所や女性センター、法テラスなどの公的機関に行くと無料で受けることができます。弁護士事務所で相談すると相談料がかかりますので、まずは無料の離婚相談を活用してみるのもよいでしょう。
とはいえ、離婚に関する法律相談で「何を」「どのように」確認すればよいか分からないという方もいらっしゃるでしょう。一般社団法人あゆむでは、専門カウンセラーによる電話相談を年中無休で受け付けております。利用料は無料です。離婚をするかどうか迷っていらっしゃる方、離婚の手続きについて一人でお悩みの方は、お気軽にお電話ください。
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