慰謝料支払い義務に関する基礎知識!慰謝料請求されたらどうする?

慰謝料の支払い義務は、どういった場合に誰に対して生じるものなのでしょうか?今回は、離婚における慰謝料支払い義務に関する基礎知識をまとめて解説します。

慰謝料の支払い義務が生じるのはどんな時?

まずは、浮気が原因で離婚に至ったという場合に、慰謝料の支払い義務が発生するケースを想定していきましょう。
配偶者の浮気が原因で離婚に至ったという場合には、あなたに精神的苦痛を与えた相手側に支払い義務が発生します。配偶者の浮気が原因で離婚に至った場合にあなたが慰謝料を請求できる相手としては、次の3パターンがあります。

  • ✓ 配偶者のみ
  • ✓ 浮気相手のみ
  • ✓ 配偶者・浮気相手の双方

反対に、自分の浮気が原因で配偶者に精神的苦痛を与えてしまった場合や、既婚者と不貞行為をしてしまったという場合、それにより相手が離婚することになってしまった場合に慰謝料を請求されたら、あなたに慰謝料を支払う義務が生じます。但し、配偶者が浮気相手にのみ慰謝料を請求することを選択すれば、慰謝料の支払い義務は生じません。

配偶者から慰謝料請求されたら…

自分の浮気が原因で配偶者に精神的苦痛を与え、それに対する慰謝料を請求されたら、基本的には支払い義務が生じます。自分の浮気が原因で離婚に至ってしまった場合には、慰謝料や養育費の金額や支払い方法を話し合い、誠意をもって支払いましょう。
浮気をしてしまったけれども離婚したくない、配偶者が離婚を望んでないという場合は、仮に慰謝料を請求されたとしても、一家計内でお金が動くだけです。離婚しないのであれば、慰謝料の支払いよりも信頼関係の回復、心のケアの方が重要だと言えるでしょう。浮気してしまったけれども離婚は望まないという場合は、夫婦関係の修復に向けて、しっかりと話し合いをしましょう。

浮気相手から慰謝料請求されたら…

自分の浮気が原因で離婚に至り、配偶者から慰謝料を請求された場合には、配偶者に対して慰謝料の支払う義務があります。さらに、もしも既婚者であることを隠して不貞行為に及んでいた場合には、浮気相手から慰謝料を請求される場合もあります。浮気相手が「貞操権(性的な自由に対する権利)の侵害」を主張し、それが認められれば、あなたは慰謝料を支払わなければなりません。また、既婚者であることを相手側が知っていたとしても、妊娠や中絶などによる精神的な損害を被ったという場合には、浮気相手が慰謝料の請求をしてくることも考えられます。

不倫相手の奥さんから慰謝料請求されたら…

既婚者であると知っていながら不貞行為に及んでいた場合には、相手側の離婚が成立するかどうかに関わらず、不倫相手の奥さんから慰謝料請求される可能性があります。慰謝料の請求に対して支払い義務はありますが、不当に高額な慰謝料を請求してくる可能性もありますので、相手の言い値で支払うのはやめましょう。 また、浮気相手に対しての怒りを抑えられず、「不倫していることを会社にばらす」など脅迫をしてくる人もいます。危険を感じた場合には、迷わず専門家に相談してください。

浮気相手に慰謝料請求する場合の注意点

ここからは、配偶者の浮気が原因で精神的苦痛の被害を受けた、慰謝料を請求したいという場合の注意点をまとめていきます。浮気という明らかな原因があるのですから、慰謝料を請求すれば配偶者や浮気相手には支払い義務が生じます。ですが、慰謝料請求する際には注意すべき点もあるのです。

配偶者と浮気相手両方に慰謝料請求する場合

配偶者の浮気が発覚すると感情的になり、「配偶者にも浮気相手にも慰謝料を払わせたい!」と考える方も多いでしょう。しかし、すでに配偶者から十分な金額の慰謝料(相場以上の金額)を受け取っている場合、浮気相手への慰謝料請求が認められない可能性があります。
慰謝料の請求相手や金額については、専門家に相談のうえ慎重に検討しましょう。

慰謝料の支払い義務があっても相手が払えない場合

浮気されて辛いお気持ちはよく分かりますが、いくら相手に支払い義務があるからといっても、あまりに高額な慰謝料を請求しても、相手が払えないというだけでなく、裁判で争っても認められない可能性があります。ただし、適正な金額を提示し請求しているにも関わらず相手が支払いに応じない場合には、慰謝料請求訴訟や強制執行などの方法を検討する必要があるでしょう。いずれにしても、請求した慰謝料を相手側が払えないと言ってきた場合には相手側との交渉が必要になるため、弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。

最後に

今回は、離婚時の慰謝料支払いの義務について解説してきました。自分の浮気が原因で離婚に至った場合には、配偶者と浮気相手双方から慰謝料を請求される場合があります。また、既婚者と知っていながら不貞行為に及んでいた場合には、相手の奥さんから慰謝料請求される場合もあります。いずれの場合にも、原則として、慰謝料の支払い義務は生じます。
ただし、不当に高い金額の慰謝料を請求された場合や、支払い能力がなく、すぐに支払えない場合には、1人で悩まず専門家に相談しましょう。

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