相手に慰謝料を請求したら「払えない」と言われてしまい、どうしたらいいのわからないという人もいるでしょう。逆に慰謝料を請求されたけれど、お金がなくて払えないという場合もあります。そこで今回は、慰謝料を請求する側、慰謝料を請求された側、両方の立場から、慰謝料が払えない場合の対処法についてご紹介します。
慰謝料請求された側が払えない場合の対処法
慰謝料を請求されたけど請求された慰謝料が払えないという場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
この場合、一番やってはいけない行為は「請求を無視」することです。仮に慰謝料が払えないという状況であったとしても、相手の請求を無視してしまうことで、さらに厳しい法的手段を取られる可能性があります。
まず、なぜ慰謝料を請求されているのか、慰謝料を請求する理由とされている内容に間違いがないか、正当な金額を請求されているのかなど慰謝料の請求内容について確認をすることから始めましょう。
相手の請求内容に間違いがなく、慰謝料を払わなければいけない場合は、次のことを検討してみましょう。
- 減額を相談する
- 分割払いを相談する
- 親に立替え払いを相談する
- 借金する
- 自己破産する
減額を相談する
慰謝料を払わなければいけないのに払えない場合は、相手に慰謝料の減額を相談してみましょう。慰謝料の金額は請求相手が金額を決めたものなので、交渉次第では減額に応じてもらえる可能性があります。
分割払いを相談する
慰謝料の支払いは一括払いが原則ですが、どうしても払えない場合、請求者との交渉によっては分割を認めてもらえる可能性があります。1回の支払額は、慰謝料の額やあなたの収入によって、いくらであれば合意してもらえるかはわかりませんが、自分に無理のない形での支払いに応じてもらえるように粘り強く交渉してみましょう。
親に立て替え払いを相談する
慰謝料の減額にも応じてもらえない、分割払いも不可能という場合は、親に立て替えてもらえないか相談してみましょう。請求者は、慰謝料を請求した相手に支払い能力がなかったとしても、相手の親に直接請求することはできません。しかし、自分がどうしても払えない場合、一時的に親に立て替えてもらって払うという人は少なくありません。
借金をする
親からお金を借りることが難しい場合は、自分で借金をしてお金を借りるという方法もあります。ただし、返済のことも考え、無理のない返済ができる金融機関、ローン会社から借り入れるようにしましょう。
自己破産する
これまでご紹介した方法がすべて不可能な場合は、自己破産をするという選択もあります。自己破産とは、裁判所に自己破産の申請を行い、免責許可が下りれば借金の返済が免除されるというものです。ただし、他からの借入金は免除されますが、慰謝料や養育費などは非免責債権(借金が免除されない債権)に含まれるため、返済を逃れることができません。
他の借金の返済を止めることで慰謝料の支払いをすることが可能になるケースもありますが、自己破産は自分自身の今後の生活にも大きな影響があります。自己破産の内容とリスクを理解した上で、検討することが大切です。
慰謝料を払えないと言われた場合の対処法は?払わせる方法
続いては、慰謝料を請求する立場になった場合の対処法です。慰謝料を請求した相手に、慰謝料を払えないと言われてしまったら、どうすればよいのでしょうか。
- 慰謝料を払えない理由を確認する
- 減額または分割で払わせる
- 弁護士に相談する(裁判で慰謝料請求、差し押さえなど)
慰謝料を払えない理由を確認する
慰謝料を請求した相手から「慰謝料を払えない」という返事が届いた場合、まずはなぜ払うことができないのか理由を確認してみましょう。慰謝料を払う理由に納得ができない、慰謝料を払うお金がないなど、一言で払えないと言っても人によってその理由は違います。相手が慰謝料を払えない理由を知ることで、払わせるための対策を取ることができます。
減額または分割で払わせる
相手の経済的な理由で慰謝料が払えないという場合は、慰謝料の減額や分割での支払いに応じることで、払わせることができる可能性があります。ただし、慰謝料の分割払いに応じる場合、途中で支払いが止まることがないように公正証書を作成しておくなどの対策をしておきましょう。
弁護士に相談する
法律のことは専門家でなければわからないことがたくさんあります。慰謝料を払えないと言われてしまったからといって泣き寝入りしてはいけません。自分だけではうまく交渉できない、相手と話し合いができず決着がつかないという場合は、弁護士に相談してみましょう。裁判で慰謝料を請求することもできますし、給与や預金の差し押さえをして回収できる可能性があります。
慰謝料請求にかかる弁護士費用の相場は?
慰謝料請求で弁護士を依頼する場合、弁護士費用が必要になります。弁護士費用には、「相談料」「着手金」「成功報酬」などがあります。弁護士費用は、依頼する弁護士事務所によって異なりますが、浮気、不倫の慰謝料を請求する場合は、一般的な慰謝料の金額の100~300万円の10~30%程度だと言われています。つまり、100万円の慰謝料請求をする場合は10万円~30万円程度の弁護士費用が必要になるということです。
弁護士費用は、成功報酬として慰謝料を受け取った後に支払うことも可能です。
最後に
慰謝料が払えない場合の対処法についてご説明してきました。慰謝料を請求しても相手に支払いを拒まれてしまうことや、突然慰謝料の請求をされて支払いができず、悩んでしまうことがあります。慰謝料が払えないことについて悩みがある場合、ひとりで悩まずにわたしたちに聴かせてください。
慰謝料の支払いについてのお悩みやご相談はこちらからお気軽にお問合せください。
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