「契約結婚」という言葉を耳にする機会が増えましたね。最近はドラマや漫画でも題材となり注目を集めていますが、実際に契約結婚するためにはどのような手続きが必要なのでしょうか。今回は、契約結婚の手続き方法や、注意点、メリットやデメリットをまとめて紹介します。
契約結婚とは
契約結婚とは、入籍前に婚姻生活について取り決め（契約）をしてから結婚をすることをいいます。「結婚後は仕事を続けるのか」「子供は何人作るのか」など、普通の夫婦が何気なく取り決めていることを、予め契約書という形で書面に残しておくのです。
よく混同される「偽装結婚」は、婚姻の意思がないのに結婚することを意味しているため、契約結婚とは意味が異なります。
契約結婚の手続き方法
契約結婚を行う場合は、婚姻届を提出する前に結婚契約書を作成します。
家計管理の仕方や家事の分担、子供の教育方針、離婚する場合の条件などを取り決め、契約書に日付を記入したら、それぞれ署名しましょう。
インターネット上には、結婚契約書のテンプレートも多数存在しますから、それらを参考にする方法もあります。もしも2人だけで作成するのが不安な場合には、弁護士や行政書士などの専門家に相談することも可能です。
結婚契約書が作成できたら、その他の手続きは通常の結婚と変わりません。婚姻届を記入し、役所に提出しましょう。
契約結婚の注意点
契約結婚を行う場合には、いくつか注意点があります。
契約内容よりも法律が優先される
当然のことですが、法を犯すような契約条件は無効となります。
例えば、「一夫多妻制を認める」といった条件は、民法に違反していますから、たとえ当人同士が同意していても無効な条件となります。
考えが変わる場合がある
例えば「子供は作らない」という条件があり、それに同意していた場合を例に考えましょう。
結婚してしばらく経って子供が欲しくなったとしても、子供を作るのは契約違反となってしまいます。こうなると、契約書の存在が邪魔になってしまうでしょう。
このような自体が想定される条件については、有効期限を設けて更新制をとるなどの対策を行いましょう。また、結婚契約書を作成する際にも「本当に同意してよいか」をじっくり考える必要がありますね。
契約結婚のメリット・デメリット
続いては、契約結婚のメリットとデメリットを考えていきます。
契約結婚のメリット
契約結婚において考えられるメリットは次のとおりです。
安心して結婚できる
予め様々な条件に同意してもらって結婚することで、安心できるという人も多いでしょう。
契約結婚を行う多くのカップルは、この「安心感」を手に入れるために契約書を作成しているのではないでしょうか。
離婚しやすい
万が一離婚をする場合にも、契約書があれば手続きがスムーズに進みます。
親権をどちらが持つか、慰謝料の額なども予め定めておけば、離婚時に揉めることもないでしょう。
契約結婚のデメリット
契約結婚にはもちろん、メリットだけではなくデメリットもあります。契約結婚において考えられるデメリットは次のとおりです。
周りに理解されない
契約結婚を行うカップルは少数派です。「結婚前に契約書を交わすなんて変わっているね」と言われてしまうケースもあるでしょう。
両親や親しい友人たちからは、「どうしてわざわざ契約書を交わすのか」と疑問を抱かれたり、反対されたりすることもあるかもしれません。
新婚ムードに水を指してしまう
契約書の作成にあたっては、2人で真剣に話し合う必要があります。条件の同意に時間がかかったり、意見が合わずに衝突してしまえば、新婚ムードに水を指してしまうこともあるでしょう。
契約結婚を題材とした様々な作品
続いては、契約結婚が登場する様々な作品を紹介します。作品ごとに契約結婚の描かれ方が異なるので、実際の契約結婚にはあまり参考にならないかもしれませんが、契約結婚を題材にして話題になりました。
ドラマ・漫画「逃げるは恥だか役に立つ」
「逃げ恥」の愛称で親しまれたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」は、海野つなみさんの漫画作品が原作となった作品です。星野源さん演じる平匡さんと、新垣結衣さん演じるみくりの契約結婚が題材となっています。
小説「契約結婚はじめました」
「契約結婚はじめました」は白川紺子さんによる小説作品です。2020年5月現在、5巻まで発売されています。この作品では、「偽装結婚」として契約結婚が描かれています。
映画「契約結婚」
グラビアアイドルの小田飛鳥さん主演の映画作品です。韓国人男性との偽装結婚をした主人公が、次第に相手に惹かれていくというストーリーになっています。
最後に
今回は、契約結婚の手続き方法や、メリット・デメリットについて紹介してきました。契約結婚は、結婚前に条件に同意しておくことで、安心して結婚できるというメリットがありますが、一方で新婚ムードに水を指してしまうといったデメリットもあります。メリット・デメリットを踏まえた上で、結婚契約書を作成すべきか慎重に検討する必要があるでしょう。
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